新年の挨拶と年賀状の習慣を守りましょう。

日本では、新年を迎えることは特に大切な行事とされています。
1月1日に年が改まるとともに、厳しい寒さの中でも、大勢の日本人が、初詣に行きます。そして、祈りとともに新年を迎えます。他にも、正月飾りや大掃除、お年玉など古くからの伝統的な行事がたくさんあります。

年賀は奈良時代よりある年始回りを起源として、平安時代から始まった長く続く日本独自の習慣です。
日頃お世話になっている方々に感謝の気持ちを込めて、新年をお祝いする言葉を用い昨年の感謝と新しい時も変わらないお付き合いをお願いする挨拶状を贈ります。

日本では昔から、新年を迎えると目上の人の所に出向きお祝いのご挨拶をする「年始の挨拶回り」という習慣がありました。
ところが交際の範囲が広がってゆくにつれ、遠く離れてしまいご挨拶を行えない遠くの人には年始回りの代わりとして、新年への思いを込めて年賀状を書いて送りました。
明治時代に郵便制度が整い、郵便はがきが発行されると「はがきで年賀状を送る」という習慣が急速に広まっていき、遠くの方のみならず近い方へも新年に送る年賀状の文化として定着し今日まで続いています。

近年はメールの普及に伴い、新年の挨拶をメールで済ませるという人も増えているにもかかわらず、配達件数が減少していません。これは、お正月に届く年賀状が日本人として特別な思い入れのあるものとして位置づけられているからかもしれません。
年賀状を書く事は、過去にお世話になった人、親しかった人との思い出に心をはせることでもあり、相手を思い自然と心が通じあう機会でもあります。

歴史ある年賀状という習慣によって人との繋がりに思いをはせ、感謝の気持ちを込めて書きましょう。
新年に行われるこの日本最大の行事「お正月」は、数百年経った今、sns、ラインなどの電子機器が発達しているにも関わらず、多くの日本人は今でも年賀状によって新年の挨拶を送っています。
昨年の統計によりますと、日本全国で合計20億枚の年賀状が配送されました。日本人一人に対して平均約15枚です。

日本に住む外国人もまた、この美しく伝統的な文化をうまく利用し、近所の知り合いや、親戚、同僚などに年賀状を送って気持ちを伝えましょう。

特に我々イスラム教徒は日本の方々と交流して深い繋がりを、もっていかなければなりません。

イスラムの創始者、聖なる預言者ムハンマドは、新年を迎えることをとても重要だと思っていました。それは彼の行動からうかがえます。
なぜなら彼は、毎月新月が見えたときに、新月の方向を向いてこのドゥアーをしていました、「おおアッラー!安全と、信仰と、無事、そしてイスラームと、あなたが愛し、お喜びになる事での成功とによって、私たちに新月を現わしてください。アッラーは私たちと君の主です。」
聖預言者の弟子たちは新月だけではなく、新年の初めにもこのようなドゥアーをしていたそうです。
我々イスラム教徒は、新年の挨拶として年賀状を親しい者に送り、この一年が世界にとって平和かつ、安全な年になることを願いましょう。