ようこそラマダーン

今日から「祝福されたラマダーン(断食月)」が始まります。今年の場合は5月06日~6月04日間にあたります。約1ヵ月間、世界中のイスラーム教徒は日の出1時間半前から日没まで断食を行います。「断食」という言葉から、飲食を断つことだけと思われがちですが、アラビア語では「サウム」といい「斎戒」の意味があります。その時間、飲食・性行為・喧嘩・悪口などを慎み、聖コーランを読んだり施しをしたりすることが薦められます。

断食には辛く苦しいイメージをもたれるかもしれません。けれども実は、ラマダーンは聖コーランの最初の啓示が下った聖なる月で、一年でもっとも祝福に満ちた月として思われます。「マルハバン・ラマダーン(ようこそラマダーン)」「ラマダーン・ムバーラク(ラマダーンおめでとう)」というあいさつがかわされます。

ある時親愛なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)は、シャアバーン月の最後の日に弟子達にした説教の中でこの様に言っています。「素晴らしい月、祝福された月、千ヶ月よりも勝る一夜を含む月が、あなた達のもとへやって来ました。アッラーは、義務としてその月の間斎戒し、任意の実行として礼拝をして夜を過ごす規律を定められました。もし誰かがその間、幾つかの良い行為によってアッラーに近づいたのならば、彼は他のひと月の義務を達成した人のようであり、その中で義務を達成すると、他の月の70の義務を達成した人のようです。それは忍耐の月であり、忍耐の報奨は天国です。それは他人と共有する月であり、信者の貯えが増加する月です。

(サルマン・ファーリシが伝えた、アッティルミージーによる伝承)