約束されたメシアの出現

イスラームの開祖預言者ムハンマド(彼に神の平安と恵みあれ)は、「イスラーム教徒は一時期、全盛期を迎えた後、必ず衰退する。その衰退期に約束されたメシアが出現して、イスラームをもとの純粋な教えに戻す」と預言しています。そのメシアは、合理的な議論と神の力でなされる奇跡によって、他のすべての宗教よりもイスラームが卓抜していることを証明すると預言者ムハンマド(彼に神の平安と恵みあれ)は述べています。この預言はアハマディア・ムスリム協会の創始者であるハズラト・ミルザ・グラーム・アハマド師(約束されたメシア)をもって実現されました。彼はこの協会を1889年にインド、パンジャーブ州の小さな村カーディアンにて創始しました。

アハマド師は、「自分は世界中の様々な宗教の信者達によりその到来を待ち望まれていた、約束された改革者である」と主張しました。たとえば、ヒンドゥー教徒はクリシュナを、キリスト教徒はメシアを、仏教徒はブッダを、そしてイスラーム教徒はメシアの他にアル・マフディー(約束された者を意味する)の出現を待ち望んでいました。アハマド師は、このような改革者はただ一人だけ現れるということ、そして人類は最終的には一つの普遍的な宗教にまとめられるものであるという革命的な宣言をしました。さらに彼は、約束された改革者は独立した役割のもとに現れるのではなく、イスラームの聖なる預言者の従属者として出現すると主張しました。

彼はイスラームがすべての人類のための最後かつ完全な人生の法典であると信じました。このことから、預言者ムハンマド(彼に神の平安と恵みあれ)に次ぐ預言者として、イスラームにおいて約束された改革者が現れなければならなかったという彼の主張があるのです。彼の出現、そして彼の宣言は、人間がこれまでずっと夢見、熱望し続けてきた全人類のための普遍的な宗教の到来を告げているのです。この信念に基づき、アハマディア・ムスリム協会はこの一世紀の内に地球の隅々にまで広がりました。中には、協会に対する迫害を行っている国もありますが、国を問わず、協会は、社会的事業、教育、衛生事業を通して、社会発展のために尽力しています。また、イスラームの布教とモスクの建設などを通して、イスラームの良い影響を与えるための努力をしています。アハマディア・ムスリム協会は、法を遵守し、平和を愛し、忍耐強くそして慈愛に富んだコミュニティとしての名声を獲得しています。

アハマディア・ムスリム協会は、イスラームの倫理と精神的価値を回復させることを目的として神の導きのもとに創られました。また、宗教を超えた対話を推進し、イスラームの教えを固く守り、全世界のイスラームに対する誤解を正そうと努力しています。そして平和、寛容、愛と異教徒間の相互理解を唱しています。アハマディア・ムスリム協会はイスラーム教の聖典である、聖クルアーンの教えを信じ、それに従って行動しています。どのような背景や理由があろうとも、暴力とテロリズムを強く拒否します。協会は、イスラームの聖なる預言者ムハンマド(彼に神の平安と恵みあれ)と聖クルアーンと預言者ムハンマド(彼に神の平安と恵みあれ)の慣行(スンナ)から得られるイスラームの知恵、哲学、倫理と精神について、論理的で的確な解説を提供しています。