イスラーム教徒 飲食物の規制

汝等信徒たちよ、われらがお前たちに賜える佳き物を食い、而してアッラーに感謝を捧げよ、もしお前たちがアッラーを崇拝するなら。

アッラーがお前たちに禁ぜし食物は、死肉、血、豚肉、アッラー以外の名が唱えられたるもののみなり。されど、必要にせまられ、故意に違反せず、限度を超えざる場合は罪に非ず。げにアッラーは寛大にして、慈悲深くまします。(2章173、174節)

お前たちに禁じられたものは、死骸の肉、血、豚肉、アッラー以外の名を唱えられたるもの、紋殺されたるもの、打ち殺されたるもの、刺殺されたるもの、墜死せるもの、角で突き殺されたるもの、野獣が食い残したるもの、但しお前たちが正式に殺したものは除く、偶像の供物台に捧げられたるものなり。而してまた籤矢をもって分配せるものも禁ぜらる。こは不敬なる行いなり。今では不信心者どもはお前たちの宗教を打破することを断念せり。されば彼等を怖れず、わしを怖れよ。今日わしはお前たちの宗教を完成し、お前たちの上にわが恩恵を満たし、お前たちの宗教としてイスラームを選びたり。されど罪を犯す意思なくも、ひもじさ故に餘儀なくなせる者には、げにアッラーは寛大にて、慈悲深くまします。(5章4節)

汝等信徒たちよ、お前たちの契約を履行せよ。お前たちに告げらえるもの以外の四つ足の家畜は食することを許さる。但し聖地巡礼中は狩猟することを禁ず。アッラーは御心のままに掟を定め給う。(5章2節)

漁獲物を食することは、お前たちや旅人の食料として許されている。されど巡礼中の陸上の狩猟は禁ぜらる。アッラーを畏れよ、いずれお前たちはアッラーの許へ召し寄せらせん。(5章97節)

彼等は汝に、酒と賭博について問わん。云え、「両者とも大罪なり。人間を益することもあるが、その害は利益を上廻る」と。また彼等は汝に、何を費すべきかと問わん。云え、「余分のものを」と。かくの如く、アッラーはお前たちを熟慮せしめんがために、さまざまなる戒律を明示し給う。

(2章220節)

これらクルアーンの各節からまとめてみる、イスラームでは次に拳げるものが禁じられている。

a)死んだ鳥獣

b)アッラーの名が唱えられずに殺された動物

c)絞殺された動物

d)豚の肉

e)野生の動物に食われた動物

f)動物の血

g)アルコール

※この他の飲食物に関しては、ムスリム各個人が自らの良心にのっとり食べるか否かを決めることができる。

イスラームで禁じられている食べ物はハラームと呼ばれ、食べることが許されている物はハラールと呼ばれている。

イスラームの教えでは、ムスリムが食事を始める時には、次の言葉を唱えることになっている。

 

「ビスミッラ、ヒッラハマー、ニッラヒーム。」

「慈悲深く、恵みあまねくアッラーの御名において。」

また、食事を終えた時には次のように唱える。

 

「アルハムドゥ、リッラー、ヒッラージ、アトアマナー、ワサカーナー、ワジャアラナー、ミナル、ムスリミーン」

「讃えあれ、アッラー、我らに食べ物と飲み物を与えてくださり、我らをムスリムとされたお方。」

さらに、イスラームの教えでは、ムスリムは右手を使って食べる事と食事の前後に手を洗う事が定めされている。