聖クルアーンとは?

イスラームは唯一の神アッラーに啓示されたすべての啓示、そしてその啓示を持ってきたすべての使者を信じています。聖クルアーンに次のように述べてあります。

「我等は使徒たちの間に差別を設けることなし」(2:286)

要するにすべての教えはその地方、その時代のために真理であったということです。西暦571年に聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)が生まれ、611年に40歳のときに以前の預言者と同じように唯一の神様アッラーから啓示を受け始めました。一番最初の啓示はアラビア語で「読め」を聞いて聖なる聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)は「私は読めない」と答えました。そして「読め、読め」といわれて、やっと「汝、創造者なる主の御名において読めよ」といわれました。

聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)はおなじ言葉を言いはじめました。これは聖クルアーンの啓示の始まりでした。よって23年間にわたってゆっくりと聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)にその必要に応じ全てのクルアーンが啓示されました。

聖クルアーンは114章がありまして、それぞれの章にいくつかの節があります。聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)が啓示を受けたときに4人の秘書がそれを書いたりしてどの節がどの章におけるのか、聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)が神様の指導のもとで決めていました。聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)はもちろんのことその秘書たち、数多くの若者、労働者、武士、先生たちがそれを暗記していました。

聖クルアーンを暗記している人はハーフィズといいますが、ある戦争に500人以上のハーフィズが殺され、聖クルアーンをまとめて本の形にすることが決まりました。しばらくたつと、聖なる預言者ムハンマド(彼にアッラーの平安あれ)の後継者ウスマーン師がそのまとまったクルアーンの七つのコピーを用意して七ヶ国に送りました。それぞれのコピーからまた数多くの本の形のクルアーンが出版されました。

聖クルアーンのもうひとつの保護の方法は神の意思に従ってどの時代にでも何十万の人々が聖クルアーンの言葉を暗記したことがあります。そして毎月断食の月ラマダンの間、暗記したハーフィズに聖クルアーン全章を聞く習慣があります。このようにほかの経典つまり聖書などと違って聖クルアーンの言葉に手を加えることは一切なかったということです。このように聖なる預言者ムハンマド(彼に神の平安あれ)に啓示された聖クルアーンが今現代も各国にイスラーム教徒の手元にあるのです。非ムスリム学者でもこの事実を認めざるを得ないのです。たとえばメウルの自著の本「ムハンマドの生涯」に次のように書きました。

「クルアーンのどの一説も、ムハンマド預言者が自ら伝えた説や文章そのままに、どんな修正もなく今に伝えられていることがはっきりと推定できる。」と述べている。

「また一方ムハンマド自身が伝え且つ使用したテキストを中身も外観もそのまま我々が今所有しているという事実がある。」と。

Noldeke は言う。

「僅かな書き誤りはあったかもしれないが、ウスマン時代のクルアーンは時には非常に奇妙な順序で書かれているとはいえ、その中身は真実以外のなにものでもない。クルアーンに後日の加筆があったと証明しようとするヨーロッパの学者たちの努力はむなしいものに終わった。」と

聖クルアーンには次のように述べております。

「今日わしはお前たちの宗教を完成し、お前たちの上にわが恩恵を満たし、お前たちの 宗教としてイスラムを選びたり。」(5: 4)

そして保護について次のように述べております。

「げに訓戒を降せしはわれら自らなり、而して、われらはその守護者とならん。」(15:10)

聖クルアーンの中に一般の人のために唯一の神を崇拝する教えはもちろんのことですが、神様が創造した人間を大事にすることの教えが述べられています。社会の平和、国際平和を保つための教え、そして文明の発達、経済問題、国の政治など詳しく述べられています。要するにクルアーンは人間の知的、社会的、政治的進歩にしっかりと留意しています。

また将来の預言などが入っています。例えば、このごろの時代について今から1400年前に聖クルアーンの81章に次のように書かれています。

「山々が吹き飛ぶ時、懐胎(かいたい)十ヶ月目の雌駱駝がうち捨てられる時、

もろもろの野獣が一緒に集められる時、海洋が澎湃たる時、もろもろの民が一緒に連れて来られる時、

生埋にされし女兒が「如何なる罪にて殺されしか?」と問われる時、

書籍が広く普及する時、(81章)

また核兵器の誤用の破壊についても予言されています。結局、聖クルアーンは類例のないすばらしい啓示であります。現代70ヶ国語以上に翻訳が出版されていて日本語訳もあります。日本アハマデイア・ムスリム協会で出版された小林先生の和訳が評判です。ぜひ読んでみてください。