第一に人間愛

イスラームは私達に、人間を創った神の存在をいつも心に留めておくこと、生きている神の存在を常に心に留めておくこと、そして神の創造物に対して愛・調和・忍耐を持って接することを教えています。

これがイスラームの聖なる預言者、ムハンマド(彼に神の恵みと平安あれ)の教えの全てです。では、もしこれがイスラームの教えなら、信者の礼拝の場であるモスクから憎しみのスローガンが叫ばれることが、どうして有り得るでしょうか。真のイスラーム教徒は、市民に憎しみの声を上げることは決してありませんし、統治国家や政府に憎しみの声をあげることもしません。

自分が一員である国の法律を遵守し、誠実な国民であることこそがイスラーム教徒の責務なのです。

アハマディア・ムスリム協会の創始者で、約束されたメシア、ハズラト・ミルザ・グラーム・アハマド師(彼に神の平安あれ)は、以下のように言いました。

「自分の信仰を正しく理解している真のイスラーム教徒は、自分が平和に暮らしている国家のもとで、いつも誠実で従順でいることでしょう。信仰が、国家への誠実さや従順さの妨げにはなりません。」(トファ・ケサリヤ 29頁)

これがアハマディアが実践しているイスラームの美しい教えです。私達を知っている人達や交流のある人達は、この事実を間違いなく知っているはずです。アハマディア協会のイスラーム教徒は、コミュニティーの一員として、邪悪な行いや無分別な行為、さらには法律違反や神の創造物を傷つける原因になる行動とは、かけ離れたところにいることからもはっきりしています。

アハマディア・ムスリム協会はいつでも「人間性」の奉仕に尽力しています。この「人間性」に関連して、私達は宗教間の違いを超えて、アフリカの途上国の学校や病院の運営を通して、「人間性」に尽くしています。

アハマディア協会の創始者は、信者たちが協会へ入る際、再び真実のイスラームを世界に示し、その美しい教えを広めるために、全能の神が彼を遣わしたという事実を信じるということを、全信者に誓約させました。 そして、全信者に、全能の神のためにもちうる能力・資力のすべてを捧げ、神の創造物に対して丁重かつ親切に振舞うことを誓約させました。

この目的を達成するためにモスクが建てられるのです。この目的を遂行する平和のシンボルとして、アハマディア・ムスリム協会はモスクの建立を推し進めているのです。

さらに、信仰や信条、人種や国籍にかかわらず、あなたはあなたのいる場所で、困っている人を助ける平和な環境を作るべきだと、私は主張したいのです。それをしなければ、人類が向かっている破滅を止めることはできないでしょう。この破滅は、第二次世界大戦よりもはるかに酷いものとなるかもしれません。

忘れないで下さい。神を知るまでは、他の人が何を考えているのか、私達にはわからないのです。そして神を知るためには、神の崇拝に専心しなければならないのです。これは現代ではとても難しく感じることですが、私達が生き延びるためにはこういったことに目を向けなくてはならないのです。

最後に、協会の創始者の言葉を借りて私の言葉を終わりにしたいと思います。彼はこう言います。

「私が託された任務は、神とその創造物の隙間を埋めることにあり、その隙間を、愛と誠実な気持ちに入れ替えることなのです。そして、そうすることによって、宗教戦争と紛争を終結させ、平和の基盤を築くことが私の務めです。そして、世界の目から隠されている宗教の真実を明らかにし、俗世の楽しみの下に隠されている人間の崇高な精神性を示すことです。瞑想や祈りを通して、神は人に力を与えられるということを、言葉よりその行動を通して、私は強く主張します。 」(ラホールでの講演より)

神様が、私達のこの責務を、みなが理解するのを助けてくれますように、アーミン。